「ブルーブレイカー」について語ってみようじゃないか

「ブルーブレイカー 〜剣よりも微笑みを〜」(以下、「ブルブレ」)は、1996年9月27日に発売された。開発はヒューネックス、発売はNEC-HE
ゲーム内容を簡潔に記すならば、主人公のケインが、世界を脅かす魔王を倒すための冒険をしながら嫁探しの旅をする。まあこんな感じだ。だからジャンルとしては“恋愛RPG”とでも言うべきかなと。
ゲームデザインは「ときめきメモリアル」の立石流牙氏。そして発売されるソフトが非常に少なかったPC-FX(確かこの頃はソフトが月に1本出てたぐらいだったと思う)オリジナルのソフトということもあって、FXユーザーの注目を集めた。私は予約しておいたので発売日に購入できたが、即日完売した所もあったようだ。
このゲームの見所といえば、やはりアニメーション。画面が粗く音もショボイというアレな性能のFXが誇れた数少ない特長だ。ヒロインのイベントシーンは勿論、キャラのバストアップもちゃんと動いた。当時としては、かなり頑張っていた方なんじゃないかと思う。
RPGとしてはそこそこの難易度といったところだが、そこに恋愛モノとしての要素が絡んでくると、急に難しくなる。ヒロインの好感度を上げるには、基本的には一緒に行動すれば良いだけなんだが、1日に何度も戦闘をするとヒロインは疲れたと文句を言ったり、ヒロイン間での相性があったりとか、生理中のヒロインは機嫌が悪くなったりで、フラグ立てをするのも結構面倒だったりする。
肝心のヒロインについてだが、神官見習い、男勝りの女剣士、呪術マニア、妖精さん…といった感じでかなり個性的。年上のキャラが結構多いのは個人的に嬉しかったな、と。
FXユーザーの間で高い評価を得、私も気に入っているこの「ブルブレ」だが、正直に言わせて貰うならば、“素人にはお薦め出来ない”系のゲームだったな、とも思う。見た目は地味だし難易度が高くて取っ付き難いし、RPGでもあるからヒロインの攻略には時間が掛かるし(あと少しで攻略できそうなのに、時間切れで世界滅亡エンドだった時のガッカリ感は凄かった)…ちょろっとプレイしただけでは、このゲームの良さには気付けないんじゃないか、と思う。幸いなことに、当時の私はヒマな大学生だったので、家に居るときはひたすら「ブルブレ」をプレイ、全キャラ攻略できた。


まあこんな感じの「ブルブレ」は、当然と言っちゃあ当然だが、FXユーザー以外はスルー。なんたって、同日にセガサターンで「サクラ大戦」が発売されたからな。ゲーム誌を見てもサクラ大戦の記事ばかりだった。FX持ってない人はブルブレ?何それ?となるのも仕方がない。
しかし、のちに多くのFXユーザーにとって残念な出来事が起こった。「ブルブレ」がSSへ、やがてPSへの移植が決まったのである(ヒューネックスの親会社・ヒューマンより発売)。「ブルブレ」をより多くの人にプレイしてもらう為には、他機種への移植はたいへん有意義なこと。SS版、PS版をプレイしてこのゲームを気に入ってくれたならば、それはとっても嬉しいなって思う。しかしFXユーザーとしては、ようやく出たFXオリジナルの良作を他機種に取られてしまう、こんなの絶対おかしいよ!と複雑な気分になったことだろう。私としてはこの出来事は非常に不愉快で、移植すんなボケ!ヒューマン○ね!的な怒りをオブラートに包んだ文章をゲーム誌に投稿し、掲載された。今読み返すと余りにもアレで顔が真っ赤になるが、当時はゲームにそれだけ熱くなれたんだな、と懐かしく思う。
SS版、PS版ともアニメーションはFX版に劣るものの、サウンド面での強化がなされ、PS版はアイテムやイベントが追加された。なお、SS初回版は致命的なバグ(攻略できないヒロインがいた)があるため、ご注意を。PS版はゲームアーカイブスよりダウンロードしてPS3/PSPでプレイ可能。


その後、言い出しっぺはヒューマンなのかヒューネックスなのか定かではないが、何故か「ブルーブレイカーバースト」という名前で3D対戦格闘ゲーム化され、PSで発売された。
率直な感想として、これはひどい、という出来だった。オリジナルキャラを追加したのは、まあ良しとしよう。しかし1枚に収められそうな内容を、わざわざ前・後編と2枚に分割して販売するとか、ひどいよ…こんなのあんまりだよ…
しかも格ゲーとしての出来もいまいち。武器のリーチが長い方が圧倒的に有利で、なんというか、出来損ないの「ソウルエッジ」をプレイしてる気分になった。バーストにはガッカリしたよ。
ブルブレキャラを使った格ゲーを、「ファーストKiss物語」のおまけゲーム「HF98」のゲームシステムでFXでプレイできたなら、どんなに幸せだったことか!


まあこんな感じでね、思うがままに書いてみたら支離滅裂で気持ちの悪い文章になっちゃったような気もするが、まあそれだけ思い出があるワケよ。